”風評被害”って?


震災から5年経ちました。

福島の第一次産業では”風評被害”が依然として問題と言われています。
が、私は、”風評被害”という言い方は、なんか違うんじゃないかな〜と思っています。

放射性物質の検査結果を公表し、安全性を伝えることは、
「風評被害払拭のため」ではなく、「CSRの取り組みの1つ」だと思います。

放射能問題の原因は自分たちに無いかもしれないけど、安全性が心配されるという事実があった中で生産活動することを選択したわけですから、説明する責任は当然生産者にもあるでしょうということです。

昔から第一次産業で生活していて、止むを得ないんだということがあるのも分かります。ただ少なくとも、震災から5年経って農業をすることを選択した私には、間違いなく説明する責任があります。

説明をしていくというのは、なにも県外だけでなく、県内の人にも発信していかなければいけないと思っています。
福島に時々帰ると、みなさん普通に生活しているので、問題を理解したうえでの選択なのかなと思っていたんですが、考えないようにしている人もいるのかなと。

私自身の理解といえば、震災から5年経ち、その間に様々な情報(不都合な情報も)に触れ、福島で農業しても問題ないなと思ったから帰農するのですが、問題ないことを人に説明できるかと言えば、できないです。

放射脳関連の専門家レベルの知識を身に付けるとまではいかずとも、消費者の方に聞かれた時、理路整然と答えられるレベルの知識や、どの情報にアクセスすればいいかの答えは準備しておきたいです。

なので、ただ国や農協が言ってるから、「風評被害があるので応援のために買ってください」ではなく、自分で安全性を判断して説明し、安全性は大前提として、商品(サービス)自体の付加価値で選んでもらえるように、周りを巻き込んで努力をしていきたいと考えています。

*写真は地震で損壊し、解体している土蔵です。小さいころ悪いことをした時は、蔵の中に閉じ込められました。怖い記憶を思い出してしまった(汗

2011-04-30 17.13.35