読書感想『いちから聞きたい放射線のほんとう』


対話形式の読みやすい本なので、ぜひ読んでもらいたいです。

福島に住んでて思うのは、安全だとは思っているけど、なんとなく不安に感じてる人が多いんじゃないかということです。国や自治体が安全だと言うので問題ないんだろうけど、対象がよく分からないものだし、もしかしたら何年後かに分かることもあるかもしれないし。

そんな不安を少なくすることの1つは、放射線が何かを理解することで、その第1歩としてこの本は使えるのではないかと思います。

この本は大きく2部構成になっています。

1部では放射線は何かを説明していて、2部では実際の生活において放射線がどのように関わって影響してくるのかが書かれています。

手っ取り早く2部の内容を知りたい気持ちを抑え、まずは1部の内容を読むことをお勧めします。

確かに、誰かに安全だ危険だと断定されたら楽だけど、それだと違う意見が出てきた時に不安になってしまう。

それは判断を人に委ねているからで、漠然とした不安は少なくするためには、自分自身が最低限であっても普遍的な知識を持ち、それを元に判断することが必要だと思います。

リスクをどう評価するか

結局はこれに尽きると考えます。世の中の全てのコトモノにはリスクがある。身体に良いとされている食べ物でも、摂取し過ぎたら健康を害します。

放射線も同様で、医療現場等で使用されることで様々なメリットを享受できますが、量が多すぎれば健康を害する。自然界に既にあるものだし、放射線の影響をゼロにすることは現実的に不可能。できることは、リスクを正しく把握し、その上で入ってくる情報を処理し、対応していくことが、不要な不安を抱えないために必要なことだと思います。

放射線は目に見えないしこの辺の話は難しいですが、まずは放射能と放射線と放射性物質の違いを理解するところから始められればよいのかなと思います。


いちから聞きたい放射線のほんとう: いま知っておきたい22の話