福島の桃「あかつき」のブランド力


農林水産省のwebサイトで「平成29年度福島県産農産物等流通実態調査報告書」というものが公開されています。

概要
農林水産省では、福島県産農産物等の販売不振の実態と要因を明らかにするため、平成29年度に初めて福島県産農産物等の生産・流通・販売段階の実態を調査しました。

平成29年度福島県産農産物等流通実態調査の結果について:農林水産省

全体版の報告書はなんと900ページ弱もあります。表紙に記載ありますがアクセンチュアに委託して調査と報告書作成を実施したようです。

米、牛肉、桃、きゅうりやその他の野菜、果物、畜産物、きのこ類、水産物まで幅広く調査されており、その結果については皆さん各自で読んで頂くとして(品目ごとに分割版あるので興味があるものだけのダウンロードも可能です)、ここでは別添の参考資料について触れてみます。

ブランド力調査

別添6に参考としてまとめられているのは”ブランド力調査”。全体版では最後の項、876ページから。牛肉、米、きゅうり、桃それぞれについて、首都圏と福島県に分けて調査が実施されています。桃の調査結果は最後の893ページ以降。

首都圏においても福島県においても、桃の選定時に重視する点は価格、産地、糖度、品種の順番であることが分かります。品種については首都圏では気にされていないようで、強いて言えば川中島白桃の知名度が高いようです。

川中島が最も評価が大きい(0.05)であるが、評価の値が小さく、品種は消費者の商品選定に殆ど影響していない。

福島では「あかつき」は強力なブランドであることは、生産者だけでなく消費者にも認知されていると思います。ローカルメディアでよく取り上げられていたり、直売所などではよく「あかつきはまだですか?」と声を掛けられたりします。首都圏と福島では差がありそうですね。

生産の視点だと、市況が他の品種に比べて良いのと福島の人からの人気が高いので、品種構成があかつきに偏ってしまいがちになります。亀岡果樹園だけでなくおそらく多くの桃農家であかつきは「これ以上は無理」という規模で栽培しているのではないでしょうか。

このような状況にあって、上記のブランド力調査を根拠にするならば、品種名ではなく糖度が高い桃のほうが選んでもらえる可能性が高いということになります。であれば、糖度が高く収穫時期が被らない他の品種を選択することで、収穫・出荷の作業量を平準化できるのではと考えます。

とはいえ、あかつきは良い品種だし、リンゴやブドウ、ナシ、イチゴ等ではコレといった品種があることを考えると、まずは生産量の多いあかつきを知ってもらってそこから展開する流れが現実的なのでしょうか。

▼福島市では電車内広告を出してました。自治体としてもあかつきを重要視していることがうかがえます。

友人が写真を撮ってくれました

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