果樹農家の冬仕事


どんな職種でも、実際に目にしないとどんな仕事をしているか分からないですよね。

農業の場合、夏や秋の収穫時期は作業をイメージしやすいと思うのですが、冬の時期は「お休みしてるんでしょ」と思っている人もいるのではないでしょうか。

ですが、この時期は果樹栽培に重要な作業があるのです。それは剪定です。

剪定とは

一言で言うと、樹を切る作業です。果樹栽培の一連の作業において最も熟練が必要な作業で、品質や収量に大きな影響を与えます。

目的は、日当たりを良くすること、風通しを良くすること、作業性を確保することにあります。


▲葉っぱがないとスカスカなので、最初は切るのをためらいがち

放っておくと樹の特定部分だけ枝が混んできて、日が当たらず弱ってしまったり、病気や虫の温床になったりします。剪定をまったくしないと、樹の上部分や外側にしか果実がならなくなってしまうそうです。

果樹によりそれぞれ

対象が違っても剪定の目的は大きくは変わらないのですが、やり方は異なります。

モモの場合は樹に元気が無いようであればあまり枝を切らず、逆に元気すぎる場合は間引きを強めに。


▲空にまっすぐぴよ~んと伸びてる枝は元気すぎるのでノコギリで


▲細い枝はハサミを使います

リンゴの場合は逆だそうで、切りすぎると残った他の部分が暴れる(ボーボーになる)とのこと。

ナシは比較的新しい芽が出やすいので大胆に。梨の調子で他の果樹をやると大変なことに(汗)

ブドウは新しい栽培方法だと機械的にこなせるので熟練はそこまで必要ないそうです。

品種間にも差が

品種間でも差が出てきます。長い枝の方が良い果実が成る品種があれば、逆に短いほうが良い品種もあります。

それぞれの特徴に合わせて剪定し、よりよい果実をどれだけ多く成らせることができるかが、果樹農家のモチベーションの一つとなっています。


▲ここ数日の雪が降る前はこんな感じでした