ももに袋をかける理由とは?


ももの果実がある程度大きくなってくると、ご覧の通り袋かけ作業を行います。

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理由はいくつかあって、

  1. 果実そのものを強い日光や枝がぶつかることから避け、劣化を防ぐ
  2. 害虫や、病気の原因となる菌(を含んだ雨水)の侵入を防ぐ
  3. 着色を良くする(果実のクロロフィル(緑色の成分)を減らす)
  4. 着色しないようにする

1と2はイメージできるとしても、3と4は矛盾してますよね。

着色を良くする

まず3の「着色を良くする」ですが、ももの場合、赤色の色素はアントシアニンで、緑色の色素はクロロフィル(光合成をする葉緑体)です。クロロフィルを減らさなくてもアントシアニンで赤い色にはなるのですが、どうしてもまだらになりがち。なので、袋をかけクロロフィルを減らし、最後に袋を破って日光にあて、一気に着色させます。

▼二重になっていて、外側だけ外します

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着色しないようにする

3と矛盾する4の「着色しないようにする」ですが、これは対象の品種が違うからです。黄色い品種(黄金桃、黄貴妃など)の表面を果肉同様に鮮やかな黄色に保つために袋をかけます。なので、収穫まで袋をかけっぱなし。

▼こっちの場合は二重ではないです

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やりずらくないか

3と4で袋の種類は違うのですがだいたいこんな感じ。

▼V字の切れ込みがポイント!ちょうど枝にフィットします!

農家よる差や地域による差

袋かけを全ての果実に実施しようとすると大変です(汗)。特に痛みやすかったり病気に弱かったりする決まった品種限定です。ただ、農家によってかけたりかけなかったり個人差がでます。

さらに言うと、岡山ではほとんどのももに袋をかけるらしいです。白桃という品種が主で、あの淡い色合いを出すために必要不可欠なのだとか。全てが対象なので袋代や人件費などコストがかかりますが、その分高く売るらしいです。

地域や農家ごとで、栽培方法に差異が出て来ることは果樹栽培の面白いところだと思います!私の場合、まずは伊達地域の標準的な栽培方法や、父親のやり方を踏襲して、その上にこだわりをもっていけたらなぁと思ってます!


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