読書感想『亡国の農協改革』


農協改革に反対意見の本です。賛成の主張も反対の主張も知ってみようと思い読んでみました。

筆者の主張を簡単にまとめると、以下であると理解しました。

「食料安全保障の観点から、農協を株式会社化することには大きなリスクがある」

そのリスクとは、株式会社化されることで最大の目的は利益になるから、いつ撤退するかわからないし、外国企業に所有される可能性もあるため、もしもの時に外国企業が日本の事を考え意思決定できないかもしれないということ。

現在の農協の仕組みで食料安全保障がどのように担保されているかは、農協の役割を含めて、この本を通して知ることが出来ます。

私自身、地元を離れて会社員をしている頃は「農協は古い。変わるべき」となんとなーく思っていたのですが、就農してみて、農協の仕組みがあることで農家は生産に集中でき(流通や営業を外注して)、食料を安定的な量/価格で提供できているんだよなと感じています。

とはいえ、農協含めて農業は今までのままでは様々な問題が解決しないだろうし、そもそも何が問題なんだっけと、自分の中で考えはまとまってないのです。

「こういう意見もある」ということでこの本は勉強になりました。

 

ただですね、ちょっと筆者の主張に聞く耳を持ちづらかったです。

使われている言葉がタイトルにあるとおり煽り気味な感じ。”亡国”とか”愚民”みたいな言葉がポンポン出てきます。また、アメリカ/中国・韓国/現首相/官僚/グローバルなどなど、各方面への批判ありきで、途中まで数字を根拠に説明しているんですが、最後で強引に批判に持っていくため論理を飛躍させているというか。。筆者と相性悪いのかな。

 

それぞれの話は事実だと思われ、「農協良くないよね」となんとなく思っている方は、目を通してみてもよいのではと思います!

亡国の農協改革 単行本 – 2015/9/8
三橋貴明 (著)