農業とITと


月曜日(3/28)、JAISAスマートアグリシンポジウム2016に行って来ました。

日比谷図書文化会館での開催だったのですが、霞が関は平日近寄らないので新卒1年目のような気分を味わえました。

全部で9社からプレゼンがあったのですが、その中で気になったことをメモしてみます。

農水省の人の話

「農業界はICTだIOTだと盛り上がっているが、現場まで浸透しておらず、ブレイクスルーが起きていない」

→確かに。父親はガラケーですし。顧客管理も紙でやってるのではないだろうか。。

笑農和さんの田んぼの水量管理の仕組み

水路からの水の調整弁を自動で上げ下げ。ベータ版開発中。

→ITというと、つい複雑で掴みどころがないものをイメージしてしまいがちだが、これはシンプルで効果が分かりやすい。

ドローンジャパンさんの話

ドローンはスマホと6割7割の部品が一緒。だからブレイクスルーが起きている。

→これまでも無人ヘリコプターによる農薬散布はありました。スマホの技術が使えるから汎用的で伸びしろが大きいのだなと。ソフトウェア開発技術者が今後増えて来れば、今以上に普及するのではとのことでした。

”リモートセンシング”

対象を遠隔から測定する手段であり、定義は幅広いとのこと。狭義であっても人口衛星や航空機などから地球表面付近を観測する技術を指すそうです。しかし、これをドローンでできるのではという話でした。
→たしかに、地表に物理センサーを置いただけでは、センサーを置いた周辺しか観測できない。トラブルが発生している箇所を見落としてしまう可能性がある。また、測量(田んぼの場合、水を水平に張りたい)をサクッとできるようになりそう。

”精密農業”

農水省によると、精密農業とは「精密農業とは、農地・農作物の状態を良く観察し、きめ細かく制御し、その結果に基づき次年度の計画を立てる一連の農業管理手法であり、農作物の収量及び品質の向上を目指します。」とのこと。

→これって、他の業界では当たり前ですよね。相手が自然だから難しいのかもしれませんが、SIのように相手が人でも難しい気がします。。

”12次産業”

6次産業化した農業を他業種とコラボさせて、6*2=12だそうです。

→言葉の定義はなんでもありですね。。

ミラサポ

中小企業庁の施策で、何回か専門家を無料で派遣してくれるらしい。

→農業は農水省だけでなく経済産業省、中小企業庁もからんでくるようです。ほかにも絡んでくるのでしょう。事業の助成などを受けたい場合、審査をそれぞれの省庁にパラレルで行うこともできるそうです。(二重で受取はもちろんダメ)

稲作はオワコンでは?という質問に対する回答

世界レベルでは穀物不足。日本の米は高付加価値商品

→亀岡果樹園でも稲作やってます。米自体ではなく田んぼにも意味があり、洪水防止のための田んぼダムの役割を果たします。

農業はIT化が遅れているので、他の業界を見れば先行事例がたくさんあり、それらを横展開するだけでも効果は得られると思います。現在の農業が抱える3K(きつい、汚い、かっこ悪い)を改善する手段としてITは間違いないでしょう。

また、IT投資は、大規模農場だけではなく、小規模農場でも実施すべきと思います。
ITは基本的に業務を標準化します。小規模農場は高付加価値で生き残るべきで矛盾するのでは?との意見があるかもしれませんがそんなことはありません。気温を測る、湿度を測る、pHを測ることなどを手作業でやっても、高付加価値には寄与しないはずです。取得したデータを、どう扱うかが差別化のポイントでしょう。(そのうちビッグデータ解析により、打つべき手が最適化され、品質が高いところで安定しそうですけど。。)

鶴の噴水

*写ってませんが日比谷公園にある鶴の噴水です。